猫のお産と新生児の病気①

猫のお産

雌猫は、生後6ヶ月~12ヶ月で最初の発情が起こり、妊娠が可能になります。
その後、年に2~3回は、妊娠分娩することが可能です。
しかし、通常は体が充分に発育していない最初の発情では、交配しない方がよいといわれています。
雄猫は、雌猫より3~4ヶ月遅れて成熟するのが普通です。

発情

雌猫は、発情すると落ち着かなくなり、外陰部は充血、腫脹してきます。また、背中やお尻をなでると、尾を上げ、顔やお尻をすりよせてきます。
雌猫は、通常真冬から冬の終わり、および春から初夏にかけて、年に数回発情します。
つまり、猫は季節的多発情性の動物で、1繁殖季節に15~21日の周期で発情を繰り返し、発情期間は3~6日間です。このような場合、猫は、発情時のあの特徴ある声で鳴き続けます。
夜中などは、大変耳ざわりなものですが、これを止めるには、交尾刺激をしてやることで、排卵が起こり、おさまることがあります。具体的には、きれいな綿棒のようなもので、陰部を軽く刺激してやることです。
また、分娩後1~4週間の授乳期間中に発情交尾することも、まれではありません。

交配適期

猫の交配は、交尾排卵で、発情中の交配の刺激によって排卵されるので、受胎率が高く、仔猫の生まれる確率が高いのです。
また、発情中何度でも、交配の刺激で排卵するために、発育の異なる仔猫を一度に生むこともあります。
ですから、特に純血種の場合は、交配がすんだと言って安心していると、雑種と純血種の仔猫が、一緒に生まれたりすることもまれにあります。

交配前のプログラム

繁殖を希望する雌猫は、あらかじめ、発情が来る前に、ワクチン接種を受け、また寄生虫の検査、必要に応じて駆虫処置も受けて起きます。

交配後のプログラム

交配後25~28日目に受診(第1回目)、腎臓・肝臓の検査(尿持参)、触診・超音波検査による妊娠鑑定を受けますが、午前中に朝食を与えないで、尿、便をさせた後、来院することが望ましい(28日目をこえると診断がしにくくなる)といえます。
順調に体重が増えて、食欲も安定していれば、交配後57~58日目に受診(第2回目)し、分娩の難易度の検査、および分娩と新生子と母親の管理等について説明を受けてください。

妊娠中の注意事項

運動:妊娠の前半は、通常の運動ならば、大いに結構です。後半も、消耗や危険のないかぎり運動させるのがよいのです。ただし、強制してはいけません。

食餌:胎児が発育するにつれて母猫も、食欲が増すものです。良質のキャットフード(ヒルズの処方食猫用p/dなど)を1日3~4回に分けて与えること。これは、大きくなった子宮が、胃腸を圧迫して苦しくなるのを防ぐためです。食餌の量は、いつもの2倍ないし3倍に増やします。

駆虫:初期に駆虫します。4週を過ぎてからは、通常行ないません。いずれにしても、駆虫はワクチンと同様に、妊娠前に済ましておくほうがよいといえます。

日光浴:良質のキャットフードを与えているかぎり、ビタミンDの不足はありませんが、充分な日光浴をするのは、猫にとって気持ちのよいことです。

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