チンチラの腸疾患とその他の病気

チンチラの腸疾患

チンチラは非感染性の腸疾患が発症しやすい。
食餌、ストレス、温度、湿度等の環境が発生に大きく関与するといわれている。

チンチラは元来ストレスに弱い。そして水分を多く摂取せず、高繊維質の食餌を必要とする動物である。
そのため、ストレス、飲水過多、水分の多い野菜や果物、低繊維、高炭水化物、高蛋白質の食餌であったり、スナック類のお菓子を与えたりすると、急激な食事内容の変化により軟便や下痢を呈することがある。

症状や程度は年齢や個体により一様ではない。
一般的には肛門付近に軟便の付着が発見される程度の軽症例である。
そのような時は、乳酸菌や整腸剤の投与、高繊維食の給餌を行う。
また、正しい食餌にして、新しい食餌へは徐々に切り替えることで発症しにくくなる。
それほどチンチラは消化管がデリケートな動物であるため、食餌には最新の注意が必要となる。

毛球症/腸閉塞/便秘

消化管の中で毛球を形成したり、異物を摂取した場合、消化管内で閉塞が発生する。
誘因として低繊維食の食餌やストレスによる胃腸機能の低下が考えられる。
便秘は多くが低繊維の食餌が原因である。
症状は、食欲不振、糞塊の縮小あるいは排便の欠如、鼓腸等で、次第に飲水だけを行い体重減少がみられ、衰弱する。
急性閉塞では元気喪失、腹部疼痛、低体温、ショック等の症状もみられる。便秘では腹部膨満が特徴的な症状である。

診断は、触診で消化管内の毛球や異物の確認をし、X線検査で胃内の塊状物、異物と鼓腸、糞塊の確認を、バリウム造影検査で閉塞像の確認等を行い、診断する。
治療は、不完全閉塞や便秘ではネコ用やウサギ用の毛球予防(除去)剤やメトクロプラミド等の消化管運動を刺激させる薬剤の投薬を行う。

便秘の症例には高繊維の食餌を給餌するか、あるいは高繊維の流動食の強制給餌を行う。
そして運動させるのもよいであろう。
また、体を水和させるために補液、点滴や経口的に飲水を行う必要性がある。
完全閉塞であればブトルファノール等の鎮痛剤やステロイドの投与を行い、外科的に摘出手術を行う。

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