モルモットのビタミンC欠乏症
モルモットのビタミンC欠乏症
モルモットは体内でビタミンCを合成できない動物で、ビタミンC欠乏症はすべての病気のときに併発すると考えておかなければならない。
壊血病ともいわれ、ビタミンC(アスコルビン酸)が欠如した食餌を約10~15日間給餌すると本症が発生すると報告されている。
モルモットはD-グルコースからアスコルビン酸を生成するのに必要なL-グロノラクトン酸化酵素を欠く。
したがって食餌等から補給する必要性がある。
アスコルビン酸はコラーゲン内のヒドロキシプロリンやヒドロキシリジンの生成に不可欠なビタミンである。
症状は、肋軟骨の接合部の腫脹、長骨端の変性、象牙質の変性による不正咬合、出血傾向等がみられる。
全身的症状として食欲不振、被毛粗剛や脂漏、鼻汁、体重減少等がみられる。
重症例は歩行を嫌い、跛行し、全身を痛がる。
時々悪臭のある便をするが、これは腸管上皮の変性が消化と吸収に影響を与えるためである。
診断は、症状や給餌歴から、治療的診断を行う。
X線検査で、肋軟骨接合部の腫脹や骨端の異常等を確認する。
治療は、アスコルビン酸の投与を行う。しかし要求量は年齢や個体により大きく異なる。
全身状態の悪い場合(食欲がない、便が出ない等)は、点滴、胃腸機能を高める薬、抗生物質、ビタミン剤、痛みを和らげる薬等を投与し、強制的な栄養補給も考慮する。