猫の代表的な病気②
猫伝染性鼻気管炎
猫伝染性腸炎と同じく、ウイルスにより感染します。
特に家の外に自由に出ている猫に多く、人のインフルエンザに似た症状を示す呼吸器系をおかす病気です。
症状は、くしゃみ・流涙・鼻汁などからはじまり、重くなってくると、発熱・食欲不振・脱水・肺炎・虚脱などで、強力な治療を受けなければ死亡率は60%にも達します。
この病気の大切な点は不顕性感染と呼ばれる、一見健康に見えるものでも、ウイルスをまきちらすものがいることと、その他のストレスでそれが顕性に転じるものがあることです。
このような場合も寄生虫がいたり、平素の栄養状態(単に肥っていることではない)などがよくないと、それだけ重くなります。
幸いにして、猫ジステンパーとの混合ワクチンが使用されるようになりました。
接種時期については、病院で相談してください。
猫伝染性貧血(ヘモバルトネラ症)
病原体(リケッチア)が寄生して赤血球を破壊する病気です。
この病気は不顕性感染といって、病原体が寄生していても何も症状を現わさない猫が多いのです。
しかし他の病気などで体力が衰えたり、かかっているのに気がつかないで手術をしたりすると、しばしば急性の症状があらわれてきます。
発熱、貧血、黄疸などが現われ、元気、食欲がなくなります。
すぐに獣医師の診察を受け、血液検査等をしてもらいましょう。
もし赤血球が破壊されて重度の貧血を起こしている場合は、直ちに強力な治療が必要になります。
同時に原因の究明を並行させて行なわなければなりません。
寄生虫病(回虫、条虫、鉤虫、コクシジウム)
各種の寄生虫が消化管内に寄生するために、下痢・血便・嘔吐などを起こし、一般に食欲や元気がなくなり、やせてきます。
重症例では、貧血や脱水状態に陥り、死亡することもあります。
特に仔猫は寄生していることが多く、重症になりやすいので気をつけましょう。
成猫も、年に4回は、検便をすることを推奨しています。ただ1回の検便では発見できないこともあります。
便がなかなか正常に戻らないようなときは、もう一度、検便をしてもらいましょう。
また条虫派のみが中間宿主なので、ノミの寄生を予防することが寄生虫予防の最良の方法です。
皮膚病
皮膚を痒がる・フケが出る・脱毛する・発疹ができるなどの症状が現れたら、皮膚病かもしれません。
皮膚病には寄生性(カイセン、ノミなど)のもの、感染性(カビ、細菌、ウイルス)のもの、ホルモン性のものなど、いろいろの原因があります。
いずれにしても、早期に獣医師に診察治療してもらってください。
「皮膚病ができたので薬をください」と来院する方がありますが、上記のように皮膚病の原因はさまざまであり、その原因により治療法も異なりますので、猫も一緒に来院しなければ確実な診断は受けられません。
また皮膚そのものの検査の前に、その皮膚を着ている体そのものをよく調べておかなければ、本当のことがわかりません。ご協力ください。