フィラリア症

Q. 以前フィラリア症がまん延していたところに住んでいましたが、現在住んでいる場所ではあまり問題になっていないようです。それでも、フィラリア症の検査を受けるべきでしょうか?

フィラリア症は、カによって伝染する致死的な病気で、国内の多くの場所で流行しています。さらに現在、カがいる地域にはどんどん広がりつつあります。世界的にも、多くの国でフィラリア症がもっとも深刻なイヌの病気になっています。
命を脅かすこのような病気から自分のイヌを守りたいという飼い主は、動物病院でフィラリア症の検査を受け、予防プログラムを行ってください。

検査結果が陰性であれば、フィラリア症予防プログラムを開始することができます。通常毎月1回、薬を与えます。(最近では、6ヶ月ごとに予防注射を打つ方法もあります。)これは、イヌをフィラリア症から守るだけではなく、フィラリア症が広まるのも防ぎます。ただし、フィラリア症の検査結果が陽性であるイヌには、けっして予防薬を与えてはなりません。これは非常に危険です。

フィラリア症の感染は、フィラリア症に感染したイヌをカが刺すことからはじまります。カは、ミクロフィラリアとよばれる顕微鏡レベルの幼虫を含んだ血を吸います。ミクロフィラリアは、カの体内で数回にわたり変態し、2~3週間後には感染力を備えた幼虫になります。そして、そのカがほかのイヌの血を吸うことで、幼虫がほかのイヌの体内に入り込みます

イヌの体内に侵入した幼虫は、成長をし、約6ヵ月後に成虫になります。フィラリアの成虫は約15~25センチの長さで、血液を肺に送り出す役目をしている右心室に定着します。 心臓に住み着いたメスのフィラリア成虫から、ミクロフィラリアがたえず放出され、イヌの体中を循環します。その結果、フィラリアの成虫によって心臓の負担が大きくなり、肺,肝臓,腎臓への血液循環が低下し、障害が現れます。フィラリアがイヌの心臓を侵すと、せきがでたり、元気がなくなったり、食欲が低下したりします。 フィラリア症の検査が陽性の場合、治療は、心臓、肺、肝臓、腎臓などの状態を十分チェックしたうえで、慎重に行います。

通常、フィラリア症は、主要な臓器が侵されるまでは症状がはっきりしない場合が多いので、早期に検査して予防することが非常にたいせつです。 体の表面をコーティングする液体薬と、ノミのバースコントロール薬の両方を同時に使用することで、非常に効率よくノミ退治が行えます。

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