ヘルニア(へそ)
Q.子イヌのおへそのあたりがすこしだけ、ふくらんでいます。大丈夫でしょうか?
子イヌの腹部がわずかにふくれているのは、臍ヘルニアである可能性があります。このヘルニアは、ネコよりもイヌで多くみられます。通常それほど大きな問題はありませんが、念のために獣医師にみてもらうとよいでしょう。
臍(さい)ヘルニアは、腹壁の臍帯の部分に起こります。その部分の筋肉がうまく発達しないとヘルニアになってしまいます。臍ヘルニアがどうして起こるのか、本当の理由はまだはっきりしていません。遺伝的なものであるか、あるいは出産時に臍帯が傷ついて起こるのではないかといわれています。母イヌが臍帯を強くひっぱりすぎたり、また、短く切りすぎたりすることがあるからです。
ほとんどの場合、ただちに治す必要はなく、避妊去勢手術をする年齢になるまで待ってから修復手術をします。しかし、ヘルニアの部分が問題ないかどうか、つねにチェックしておく必要はあります。たとえば、腸が腹壁の穴を通ってヘルニアの中に入りこんでしめつけられると、これは緊急事態です。ヘルニアが腸をしめつけ、腸は元に戻ることができなくなり、血液供給も遮断されてしまいます。こうなると、ただちに手術が必要になります。
またヘルニアは、股間部分(そけい部)に発生することがあります。腸がそけいヘルニアの中に入りこむと、いちじるしい不快感を生じ、臍ヘルニアと同様に危険な状態になります。