肛門嚢

Q.小さな犬を飼っていますが、よくお尻を床にこすりつけて引きずり、そしてお尻をなめます。何でこのようなことをするのでしょうか?

 あなたのいう「こすりつける」行動は、肛門嚢がつまった場合にしばしばみられます。肛門嚢のつまったイヌは、その部分に不快感を感じるため、お尻をなめたり床にこすりつけて、一時的に不快感から逃れようとしているのです。

 肛門嚢(あるいは肛門腺)は、イヌやネコの肛門の両側にある小さな袋です。この袋は、くさい臭いの茶色い汁で満たされています。これは昔野生だった頃、なわばりを示すために使われたともいわれています。しかし、ペットとして飼われている現在では、肛門嚢の果たす役割はなくなりました。2週間に1回は、しっぽを持ち上げて肛門嚢をしぼってあげてください。
 この肛門嚢に汁が充満したり、袋の出口がふさがったりすると、医学的に問題が生じます。肛門嚢がつまるわけですから、イヌやネコは大変な不快感を覚え、こすったりなめたりして、それから逃れようとするのです。
 ときには、つまった肛門嚢が化膿して大きくはれ、血液やウミを満たしたアブセス(膿瘍)になることがあります。こうなると獣医師の治療が必要です。

 肛門嚢が化膿したりアブセスになったりするのを防ぐためには、定期的に肛門嚢をしぼるか、外科的に肛門嚢を切除することです。多くの獣医師が、それを推奨しています。しかし、誤った方法でしぼると、汁を深く押し込めることになり、さらなる問題を生じることがあります。獣医師や動物看護士、トリマー、あるいは特別にその訓練を受けた人にしてもらいましょう。

 肛門嚢がひどく炎症を起こしたりつまったりしている場合には、麻酔を使って完全に袋をしぼり、薬を投入する必要も出てきます。また、慢性的なケースや、肛門嚢が破れてさらに皮膚も破れているケースでは、肛門嚢を外科的に取り除くこともあります。

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