老齢のペット
Q.16歳になるメスの小型犬を飼っていて、とても可愛がっています。 今のところ特に問題ないのですが、以前より体力がなくなってきたように思います。どうしたらよいでしょうか。
あなたのかわいい「おばあちゃん犬」は、獣医師のところで定期的に診察してもらい、今の健康状態を維持し、病気になったら早期に治療するように努めることがたいせつです。
犬種によって多少異なりますが、普通約8歳くらいから老齢にともなうさまざまな変化が現れてきます。また、大型犬は小型犬に比べて老化が早いといえます。
年齢とともに現れる変化には、2つのタイプがあります。ひとつは、加齢にともなう視力や聴力の衰えで、これは正常な老化現象です。もうひとつは、がん、関節炎、糖尿病、心臓病、肝臓病、腎臓病といった病気が、目立って多く見られるようになることです。これらの病気は、早期発見、早期治療をすることが可能です。
定期健診やワクチン接種、歯石取りなどに加え、老齢のペットには「老動物検診」をすすめています。これは、通常の診察に加えて、隠れた病気を発見するために各種の診断検査をします。
たとえば、レントゲン検査では、臓器が肥大や萎縮していないか、水がたまっていないか、腫瘍がないか、関節炎になっていないか、膀胱結石がないかなどを調べることができます。
心電図では、心臓の状態を把握し、脈や心臓の異常を発見できます。尿検査は、腎臓がきちんと機能しているかを把握すると同時に、体全体の健康状態を把握できます。
血液血球検査では、細菌感染やウイルス感染、貧血、あるいは血液凝固異常がわかります。さらに、血液生化学検査では、血糖値や、肝臓、腎臓の異常を知らせます。
また、老齢にともない、動物が必要とする栄養も変化します。老齢の動物にはどのような食事を与えるよいのか、獣医師とよく相談することがたいせつです。