糖尿病
Q.8歳になるメスのイヌを飼っています。前から太り気味だったのですが、最近水をたくさん飲み、前にもましてたくさん食べるようになりました。 それなのに体重が減っているみたいです。なぜでしょう?
食欲が増し、飲み水の量が増しながら体重が減少する病気はたくさんあります。なかでも太り気味の中年のイヌが特にかかりやすいものに、糖尿病があります。糖尿病になると、インシュリンを産生できなかったり、あるいは体内でインシュリンが適切に働かなくなります。
血液中のインシュリンの量が減ると、血糖値が上がります。血糖値が異常にあがると、余分な糖が尿のなかに「もれ出す」ことになります。糖が尿の中に失われるため、体はエネルギー不足で飢えた状態になります。
糖尿病は治療をしないと死に至ることもあります。糖尿病の初期症状としては、体重減少、意気消失、食欲増加、のどの渇き、そして排尿量の増加があげられます。さらに血液中に酸が蓄積されると、嘔吐、意識消失といった症状が見られ、やがて死に至ります。
獣医師に血液検査、尿検査をしてもらい、診断してもらいましょう。イヌとネコの糖尿病は、人間と同様に特別食を与え、飼い主が毎日インシュリン注射を打ってコントロールできます。
糖尿病にかかったペットには、常に一定した食事が要求されます。毎回同じ内容で、規定量でなくてはなりません。
獣医師に相談すれば、糖尿病のペット用の処方食を用意してくれるでしょう。
同時に、獣医師から、毎日イヌに打つインシュリン注射のしかたを教わりましょう。イヌにインシュリンの皮下注射をすることは、少し練習すれば問題なくできるようになります。
さらに、注射するインシュリンの量を決めるために、毎日イヌの尿を検査しなくてはなりません。万が一血糖値が異常に下がった場合にペットの歯茎にこすりつけられるように、つねに砂糖シロップを手元に用意しておきましょう。さもないと発作を起こしてしまいます。
定期的に動物病院で血糖レベルを検査し、インシュリンの維持量が適正でイヌが安定しているかどうかを調べることになります。インシュリンのレベルがきちんとコントロールできるようになれば、ペットはほぼ通常の生活ができます。
しかし、糖尿病にかかったイヌは免疫力が弱く、感染症にかかりやすくなります。また、白内障や他の病気を併発しやすくなります。
糖尿病は通常6歳以上の動物に見られます。体内のホルモンがインシュリンに影響するので、多くの場合、避妊去勢手術をすることをおすすめします。