てんかん

Q.2歳になるプードルですが、2回ほど激しくふるえて虚脱状態になったことがあります。てんかん発作なのでしょうか?

 プードルはほかの犬種に比べて、特にてんかん発作を起こしやすいといえます。あなたの記述した症状はてんかん発作をあらわしています。
 てんかん発作は、脳の中で異常な電気的パターンが発生することによって起こり、筋肉の硬直、けいれん、虚脱といった症状が見られます。

 頭部のケガ、肝臓や腎臓障害といった内臓に起因したり、また、ジステンパーでもてんかん発作が起こりますが、てんかんのイヌはけっして繁殖に用いるべきではありません。

 てんかん発作には3つの段階があります。はじめは前兆期または前発作期とよばれるもので、発作を予感して落ち着きがなくなり、鳴いたり、隠れたり、うろうろするといった異常な行動をします。この段階は発作前数分から数日の間に起こります。
 第2段階は真の発作期で、通常わずか数分で終わります。ふるえのほかにも、回旋運動、筋肉の規則的なけいれん、顔面のけいれん、よだれ、排尿、排便、嘔吐、足ぶみ、あるいは虚脱症状がみられることもあります。
 第3段階は回復期で、数日間から数時間続きます。動物はふらふらしたり、ギクシャクしたりするかもしれません。一時的に眼が見えなくなる場合もありますし、多少疲労感が残る程度でおさまる動物もいます。

 あなたのかかりつけの獣医師は、おそらく、あなたのペットを細かく診察し、血液検査とレントゲン検査をすすめるでしょう。てんかん発作の原因が遺伝的な要因ではなく、何か特別の内科的な障害に起因していないかを確かめるためです。感染症や腫瘍が否定された場合は、脳波の異常をコントロールする薬を試すことができます。

 てんかん発作は、そのままにしておくとより頻繁に、より激しく起こるようになります。ですから、できるだけ早く医学的な処置を施すことが大切です。
発作があまりに激しいときは、薬ではなく直接血管内に注射します。さもないと意識不明、永久的な脳障害に陥り、死亡してしまいます。

 てんかん発作がおきたら、まず落ち着いて、かまれないようにすることです。ペットを傷つけるおそれのある物体をよける以外には、何もしてはいけません。
発作が5分以上続くようであれば、救急処置のために、かかりつけの獣医師のところへ連れて行ってください。

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