下痢症
Q.私のイヌはとても神経質で、すぐに緊張してしまいます。健康状態はよいと思うのですが、ときどきストレスのため下痢をします。食事を変えるべきでしょうか?
神経質なペットは、ちょうど神経質な人間と同様に腹痛を起こしたり、食べ物の消化不良に関係した病気を起こすことがよくあります。もし、下痢を繰り返すようであれば、かかりつけの獣医師にみてもらったほうがよいでしょう。
ときどき起こる下痢の場合、ほとんどは消化管の一部である大腸が炎症を起こしている大腸炎です。この場合、大便をするときにいきんだり、下痢便、軟便になり、ときには便に血液や粘液が付着しているかもしれません。大腸炎には、処方薬を投薬するのもよいのですが、繊維成分の豊富な食事を与えることが非常に重要です。繊維成分が消化吸収を助け、腸内に発生した毒素で消化管が刺激されるのを緩和します。そのためペットの便通が正常に戻ります。
線維とは植物に由来する成分の一般的な総称で、小腸では消化されにくいものです。消化されにくいので消化管をそのまま通過し、その間水分の吸収を助けて便通をよくします。繊維を多く含んだ食べ物として、野菜や小麦、オート麦やそのほかの穀物類、果物、豆類などがあります。
理想的なペットの食事は、高炭水化物、低脂肪、高繊維で構成されるべきであるといわれています。この食事は大腸炎のペットだけではなく、糖尿病や心臓病のペットにもすすめられているものです。また、繊維が大腸がんを予防することもわかってきています。
あなたのイヌやネコに繊維を十分にとらせるためには、高品質で栄養分のかたよりのないペットフードを選ぶことです。基準の規格に適合していないペットフードも、市場にはたくさん出回っています。あなたのペットの健康に一番よいペットフードを獣医師に相談してみるとよいでしょう。場合によっては特別の処方食が必要な場合もあります。
また、動物病院で、下痢の原因にもなる消化管の寄生虫の検査も行うべきでしょう。