虫(消化管内寄生虫)
Q. 飼っている子イヌですが、丸々とした大きなお腹をしています。
特に食べすぎているとは思わないのですが、どうしてこんなにお腹がふくれているのでしょうか?何かよい方法はありますか?
子イヌ、子ネコの腹部が膨張しているときは、消化管内に寄生虫がいることが考えられます。獣医師に子イヌの糞の顕微鏡検査をしてもらってください。
検便は、子イヌが2~3週齢のときにはじめて行い、その後毎年1回ずつ、生涯にわたって規則的に行うべきです。
子イヌの回虫症は最も一般的です。これは母親から胎盤を通して感染し、子イヌは腹部が膨張したり、下痢を起こしたりします。
鈎虫症、蟯虫症も子イヌにとって危険なものです。これらの寄生虫は、できるだけ早いうちに獣医師の処方する薬で駆虫してください。
一方、条虫もよく見られる寄生虫で、多くはノミに由来します。条虫の幼虫に感染したノミをペットが飲み込むことで感染します。
ペットの糞便に、白く小さな、ご飯粒のような虫がついているのを見たら、条虫だと思ってよいでしょう。
条虫の駆虫は、注射または飲み薬で行います。ノミのいない環境作りを心がけることが、条虫感染の予防につながります。
薬を与えても、動物が自分の体をなめてノミを飲み込んでいては、次から次と条虫に感染してしまいます。
ほかにも、ジアルジア、コクシジウム症といった寄生虫が、消化管の疾患を引き起こします。これらは原虫とよばれる寄生虫で、顕微鏡でしか見ることができません。ジアルジアとコクシジウムは通常、水や食物を介して感染します。
消化管内寄生虫に感染した子イヌは、寄生虫の種類によって、ひどく具合が悪くなることもありますし、ほとんど症状が現れないこともあります。
しかし、寄生虫に感染した子イヌの多くは、大きなお腹をしており、後で下痢を起こしています。また毛づやが悪かったり、食欲がなくなる場合もあります。
残念ながら、市販されている虫下しの多くは、効果が期待できません。獣医師のところで、寄生虫の種類、イヌの種類、年齢、体重を考慮して、効果的な虫下しを処方してもらいましょう。