ひざの障害
Q.先日ハイキングに行ったとき、うちのラブラドールは、後ろ足を捻挫してしまったようです。今も足を引きずって歩いています。
獣医師にみてもらったところ、ひざの靭帯が切れているといわれました。どうしたというのでしょうか?
中型犬、大型犬は、ひざのケガを起こしやすいといえます。イヌのひざのケガで最も多く見られるのが、前十字靭帯の断裂です。これは、ひざの関節で上の骨(大腿骨)と下の骨(下腿骨)をつないでいる靭帯が切れることで、そのためにひざの関節が不安定になります。前十字靭帯の断裂は、ひざを強く曲げすぎたり、ひねったりすることで発生します。
前十字靭帯が切れると、ひざの関節がとてもゆるくなり、異常な動きがみられるようになります。これは強い痛みをともなうため、足を引きずり、また関節炎も引き起こします。
「引き出しを前にひっぱる」ように足の骨を前後に動かしてみて、ひざのゆるみがないかどうかを触診し、前十字靭帯が断裂しているかどうかを診断します。
靭帯が断裂していた場合は、ひざの靭帯の一部を使って新しく前十字靭帯を再生する手術ができます。 手術で縫合された部分は、はじめは強くありませんが、数ヶ月もするとしっかりとしてきます。実際、手術をしたイヌは、皆すっかりよくなり、元通りの運動が行えるようになります。ただ、歳をとってからは、関節炎が発生することがあります。