肝臓病
Q.飼っているウエスティーが、肝臓病であると診断されました。
どうして肝臓病が起きるのか、また、治療についても教えてください。
ウエストハイランドホワイトテリアなどの犬種は、ミネラルの一種である「銅」を正常に代謝・排泄することができません。このことが原因で、肝臓病が起こることがあります。
そのほかの犬種では、一般にウイルスや細菌感染、毒物の摂取あるいは心臓病や生まれつきの異常から、肝臓への血液の流れが阻害されることによって肝臓病が起こります。
肝臓は体の中でいちばん大きな腺組織です。そして、たくさんの異なる機能を有しています。ですから、肝臓病になるとさまざまな障害が生じてきます。
イヌの肝臓病の最も一般的な症状は、食欲低下、体重減少、意気消失、歯茎や白目の部分の黄変、水をよく飲むようになり濃い茶色の尿を排出するなどがあげられます。
肝臓に関係したほかの障害として、歯茎が蒼白になったり、腹部に水がたまって呼吸困難が生じることがあります。腹部にたまった水と、はれた肝臓でお腹がふくらんで見えるかもしれません。
これらの症状は、急激に現れることもありますし、ゆっくり進行することもあります。いずれにしても、ほかの病気の症状である可能性もありますから、獣医師の診察を受けるべきです。
動物の舌や歯茎を見て黄疸が出ているかどうか、また腹部を触診して異常を調べます。血液検査をすると、肝臓病ではある種の酵素が上昇するので、診断に役立ちます。肝臓のバイオプシーをすすめられることもあります。
肝臓病の治療は、何が原因かによってちがいます。感染症の場合は通常、抗生物質が処方されます。もし、肝臓病が毒物や銅に由来している場合は、入院して適切な看護をするのが主な治療法といえます。
この場合、獣医師が奨励する正しい食物を与えることが、とても重要です。
肝臓の細胞は、再生能力に優れています。ですから肝臓病は、早期に発 見され、正しく治療することにより、全快する可能性が高くなります。