心臓発作
Q.14歳のメスのコッカースパニエルですが、先日心臓発作を起こしました。現在は薬を飲み続けていますが、命にかかわる心臓発作を予防するにはどうしたらよいでしょうか?
イヌの心臓が正常な血液の流れを維持できなくなり、体に必要な酸素を十分補給できなくなると、うっ血性心不全になります。この治療は、何が原因でそうなったかにより違ってきます。
イヌには、数種類の異なったタイプの心不全があります。うっ血性の心臓病は、生まれつきの異常です。子イヌの初回時診察で、獣医師はこれをチェックします。正常な体重増加がなかったり、発育不全の子イヌは特に、心臓病を疑ってみるべきです。
もうひとつのよくみられる心疾患は、弁膜症です。このタイプの心臓病はゆっくりと時間をかけて発生しますが、薬を飲みながら長期間よい状態を保ちコントロールできる場合が多いようです。
別の病気に、心臓のインパルス伝導障害があります。老齢のコッカースパニエルやダックスフンドに多くみられ、この場合、心臓薬が科学的ペースメーカーとしての役割を果たします。
フィラリア症は、イヌの心臓疾患の中でもより一般的なものになってきています。フィラリア症を予防するのは非常に簡単で、月に1回内服薬を与えるだけですみます。
心臓病の初期症状は「せき」です。血液を送るポンプの力が衰えると、それに反比例して心臓が肥大して気管支を圧迫するために、せきこむようになります。また、元気がなくなったり、軽い運動の後で異常にハアハアするというのも、心臓病に一般的な症状です。
心不全になると、胸や腹部に水がたまることがあります。そうなると呼吸がたいへん苦しく、浅く速い呼吸になります。
もっと酸素を吸おうとして、首を前に伸ばすような姿勢をするかもしれません。心臓の鼓動が非常に早いこともありますし、非常に遅いこともあります。可視粘膜の色が蒼白になり、血液循環が悪化すると、脱力、失神、そして死に至ります。
イヌの心臓に異常があると、心雑音が聴かれる場合もあります。また、超音波検査や心電図、レントゲンは、心臓病の原因を断定するのに役立ちます。
心臓病の治療は、一般には運動制限、心臓薬、そして低塩、低蛋白の特別処方食などで行われます。しかし、場合によっては、手術が必要となることもあります。