【CANINE】3_自己免疫性疾患

【CANINE】3_自己免疫性疾患 について

Q.うちのイヌは皮膚病で、獣医師に「天疱瘡(てんぽうそう)」だといわれました。
私の姉はいわゆる「狼瘡(ろうそう)」に悩まされています。これらの病気が関係しているというのは本当ですか?

この病気は、どちらも自己免疫性疾患です。身体の免疫機構がくずれ、細菌やウイルスと戦う代わりに、自分自身の細胞を攻撃するようになるものです。

自己免疫性疾患は人間にも動物にも起こります。血液や関節、あるいは腎臓といった特定の組織のみが侵される場合がありますが、狼瘡では体中の臓器が侵される場合もあります。
あなたのイヌの天疱瘡は、組織が限定されている自己免疫性疾患で、通常皮膚にのみ病状が現れます。
自己免疫性皮膚疾患では、抗体は皮膚細胞を攻撃し、皮膚の粘着性が失われます。

これにより皮膚にはかさぶた状の皮が張りつき、潰瘍が形成されます。特に顔や耳、足および足の肉球に多くできます。
自己免疫性疾患の中には、日光を浴びることにより悪化するものがあります。
この疾患は、日光が原因である可能性さえもあるといわれ、明るい色をしたペットの、特に鼻のあたりに現れます。日光を浴びる状態で飼われているピンク色または白色のペットには、防水性の日焼け止めが必要です。

コリーとシェットランドシープドッグは、特に鼻のあたりに皮膚病をわずらう場合がありますが、これは、皮膚筋炎(Dermatomyositis)という遺伝性の自己免疫性疾患です。
Dermatoというのは皮膚炎を意味し、myositisは筋炎を意味します。皮膚と筋肉の両方の細胞が、自分自身の免疫システムにより攻撃され、くずされ、破壊されてしまうのです。

残念ながら皮膚筋炎は、副腎皮質ホルモン薬やそのほかの抗炎症剤では効果的な治療ができません。
皮膚病状が軽度で筋肉の病状がほとんどないイヌの場合は、元気に成長して正常な成犬になります。
しかし、皮膚病状がひどく筋肉の衰えのいちじるしい場合、予後は悪く、安楽死させなければならない場合もあるでしょう。

ほかの多くの自己免疫性疾患は、一般に、副腎皮質ホルモン薬のような免疫抑制剤、抗がん剤で治療します。
自己免疫性疾患は完治するものではあるませんが、多くのペットは治療によって、快適で充実した一生を送ることができます。

…続きは後日公開いたします

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