【CANINE】1_麻酔
【CANINE】1_麻酔
Q.麻酔は手術の中で最も危険性が高いというのは本当ですか。獣医師が使う麻酔は、どのくらい安全なのですか?
この10年間で麻酔学は非常に発達し、外科手術の安全性が大幅に増大しました。
現在獣医学の分野で使用されている麻酔の多くは、人間に対して使われるものと同じものです。
毎年死ぬ多くのペットたちは、おそらく麻酔そのものよりも、
麻酔を用いるのが危険であるということで手術ができずに命を落としているものだと思われます。
どんな手術でも、手術前検査は大変に重要です。
この検査は、獣医師の診察だけでなく、多くの場合血液検査、尿検査が含まれます。
また、レントゲンや心電図検査まで行う場合もあります。
この検査は、腎臓病や肝臓病、糖尿病、あるいは慢性感染症などの病気が隠れていないかどうか確かめるために必要なのです。
これらの病気にかかっている場合は、手術に危険性がたいへん高くなるからです。
また、この検査により、医師は使用する麻酔の種類の選択をします。
一般的に、年をとっているほど危険性が高く、より綿密な手術前検査が必要になります。
手術では、正しく麻酔をモニターすることにより、安全性を高めます。
ほとんどの動物病院では、心電図やモニター装置で持続的にペットの心拍数・呼吸数・酸素飽和度・二酸化炭素濃度・血圧などをチェックでき、
問題があれば執刀医に異常を知らせることができます。
また、手術中は訓練を積んだ動物看護士が、ペットの呼吸、可視粘膜の色、眼瞼反射、角膜反射、麻酔の深度や輸液の量とスピードをモニターして執刀医を助けます。
また、一般に注射麻酔よりもガス麻酔のほうが安全であると考えられています。
ガス麻酔は、必要に応じて迅速にレベルを上げ下げできるからです。
今日最も進んでいる麻酔は、セボフルラン(Sevofrane)です。
このガスは、ほとんど毒性がなく、非常に高い安全性を備えています。
セボフルランはペットの心拍数や血圧を下げることがなく、手術後ペットは速やかに目覚めることができます。
このガス麻酔は、老齢のイヌやネコ、心臓や肝臓、腎臓などに問題のある動物の手術に、理想的であるといえます。
…続きは後日公開いたします