犬と猫の健康管理
(子ども期)

子ども期
(生後2か月から8か月)

離乳がほぼ完了してからの子ども期は、ある程度の体温調節ができるようになり、起きている時間も長くなって、活発に行動を始めます。 しかし依然として睡眠時間は長く、それは心身の成長に不可欠です。
眠っているときには起こさないように注意しましょう。
睡眠中に起こすといらいらした性格になる傾向もあります。

この時期の外界の知覚は、視覚や嗅覚よりも噛んだり舐めたりといった口を使った接触によるところが大きいのです。
また、歯が生えてくるので、歯ぐきがかゆいのを物を噛んで紛らわそうとします。
そこで周囲の物を噛んだり、飲み込んでしまう事故が起こります。
生活環境を整えるとともに、安全で噛んでもよいおもちゃを用意するようにしましょう。
電気コードは噛むと感電死する危険がありますが、同時に室内から取り除けないものでもあります。
この場合は、レモン汁やタバスコのような刺激物を塗っておくと、一度噛んで嫌な思いをするとあとは二度と噛まないという学習ができることがあります。

そろそろ排泄習慣を身につける時期です。
普通、食後にもよおすので、排泄しそうな様子がみられたら、決まった場所で、決まった素材(新聞紙やペットシーツ、猫砂)を使った排泄場所に連れて行って習慣づけましょう。
一度決めた場所や素材はなるべく変更しないようにしてください。
また、トイレと食事の場所が近すぎると排泄したがらないことがあります。
人が頻繁に通る場所やうるさい場所も好ましくありません。

トイレの習慣が完成した後にトイレ以外の場所で排泄する場合は、問題行動なのか発情なのかを見極める必要があります。
トイレ以外の場所で何回も排泄したら、動物病院で尿検査等を受け、健康上の問題かどうかを把握しましょう。
いずれにしてもトイレは清潔に保つこと、尿や糞便の状態は普段から観察することが大切です。

生後2カ月になったらワクチン接種等の予防を始めることができます。
蚊の出る季節であれば、犬糸状虫(フィラリア)症の予防薬を与えます。ノミ・ダニ駆除も同様です。
犬や猫は体を舐めることで外部寄生虫を飲み込んで駆除しますが、子どもはそれがうまくできません。
そのため重い寄生虫感染を起こしたり、ノミ吸血性の貧血となって命にかかわる場合があります。

この時期からブラッシング、耳そうじ、歯の手入れ、爪切り、肛門腺の手入れ等、家でできる簡単なケアを始め、体じゅうをさわれるように習慣づけましょう。
健康面だけでなく、行動面での社会性を身につけるために、この時期は母親や兄妹との接触が重要です。
4カ月齢くらいまでは家族と同居させたほうが、のちのちの問題行動が防げる傾向があります。

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