ウサギの疾病
(消火器疾患)
疾病
消化器疾患
幼若なものは急性に起こりやすい。
食餌(炭水化物の過剰摂取、食物繊維の不足)、ストレス等によって胃腸運動が抑制されることが大きな要因となる。
毛球症
ウサギは毛繕いをするが、消化管の中に毛玉ができても嘔吐できない。
また、幽門が小さいので、消化管内で毛玉となって閉塞する。
誘因として高炭水化物、低繊維の食餌、ストレスやホルモンなどが考えられる。
特に小型のウサギに好発する。症状は食欲不振、正常便の欠如、消化管内ガス貯留等で、次第に飲水だけを行い体重減少がみられ、衰弱してくる。
触診での診断のほかには、レントゲン検査、バリウム検査などを行う。
治療は内科的に毛球除去剤消化管運動を亢進させる投薬を行う。
イレウスもしくは毛以外の異物であれば外科的に切開を行う。
盲腸便秘/盲腸鼓脹
盲腸内に糞が停滞したり、同時にガスがたまることがある。
症状は食欲不振、便秘などである。そのほかの消化器疾患(不正咬合、毛球症等)の併発症としてみられることが多い。
腸閉塞がみられると死亡率はかなり高い。
寄生虫感染症コクシジウム
ウサギに寄生するコクシジウムはEimeria属である。
腸に寄生するものは
【E.irresidua(小腸)】
【E.magna(大腸)】
【E.media(小腸と大腸)】
など8種がみられる(腸寄生が7種、肝寄生が1種)。
食物や水による経口感染が主であり、腸の上皮に感染し、有性ならびに無性生殖によって増殖する。
腸の感染による症状はまれであるが、濃厚感染を持つ動物は激しい下痢を起こし、しばしば致死的である。
症状は幼若なものに発生することが多く、発育不全や体重減少が顕著となる。
診断は糞便の浮遊法検査によって確認され、治療はコクシジウム抑制剤の投与である。
ウサギ蟯虫
(Passalurus ambiguous)
盲結腸に寄生し、片利寄生であるため病原性はほとんどない。
診断は肛門周囲に産卵するため肛門のセロハンテープ法や直接発見を行う。
成熟期間が短く直接感染のため防御は困難である。