犬と猫の健康管理
犬と猫の健康管理
動物の健康管理における飼い主の責任は重大です。
病気は動物病院で治療しますが、病気を見つけるのは飼い主です。また、一部の治療は飼い主が家で行うことでもあります。病気を見つけるためにも、病気を治療するためにも、飼い主は動物の体のどこでも触れるようになっていないといけません。
そのためには動物との信頼関係を築いていなければなりませんし、しつけも必要です。
何が異常かを判断できる知識を持ち、日ごろから病気を招きにくい生活や環境等を工夫するように心がけましょう。
乳児期(誕生から6~8週まで)
乳児期の犬・猫は1日の9割の時間を眠って過ごします。睡眠は体の成長にとって重要なので、眠っている子は起こさないようにしましょう。
食事は母乳が望ましいのですが、母親がいなかったり母乳が出ないような場合は、犬は犬用の、猫は猫用のミルクを与えます。
排泄は自力ではできません。通常は母親がお尻や腹部を舐めて排泄補助をします。それができない場合は、人間が下腹部をマッサージしたり、肛門と陰部・ペニスをティッシュペーパーなどで軽く圧迫して補助します。排泄補助は授乳と同程度の間隔で行います。
この時期は体温調節もできないため、常に母親の体に接していないと低体温症となって命にかかわります。母親と長時間(20分以上)離すときは湯たんぽなどで保温しましょう。
保温器による低温やけどや熱中症にも注意してください。ペット用のヒーターマットは高温になりすぎることはないでしょうが、お湯を使った湯たんぽの場合はやけどを起こさないよう、タオルなどでくるんで調節します。
自然分娩では出産時に母親がへその緒を食いちぎるのですが、ちぎり過ぎて腹部に穴が開いてしまったり、へそから感染が起こったりすることもあります。分娩後は子犬や子猫のへそを毎日見て、熱をもって赤くなっていたり、膿が出ていたりしないか確認しましょう。
乳児期の子どもは毎日必ず体重が増加するので、1日1回体重チェックをしてください。体重が増えない場合は、ミルクを足すか、獣医師の検診を受ける必要があります。
この時期は母乳からの移行抗体で守られています。しかし免疫力は乏しいため、他の犬や猫との接触は避けたほうが無難です。
子どもの体が汚れた場合は洗ってもかまいませんが、シャンプーのにおいによって母親が子育てをしなくなることもあります。お湯洗いだけにしてシャンプーは使わないほうがよいでしょう。